- 著者
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小林 英夫
中野 実
河村 文夫
須藤 至
- 出版者
- 日本呼吸器内視鏡学会
- 雑誌
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.5, pp.423-429, 1993-07-25
急性呼吸不全症例に対して, 標準的治療にサーファクタント(PSF)注入を併用することの有用性を, prospectiveに検討した。人工呼吸開始より平均27時間後に, 気管支鏡を用いてPSF 600mg/bodyを, 8例に注入した。同時に, TBLBとBALを施行し, 診断の確定に努めた。施行症例は, IIPの急性増悪2例, acute interstitial pneumonia 2例, 細菌性肺炎2例, RA肺1例, Goodpasture症候群1例であった。注入72時間後のPaO_2/F_IO_2とX線所見は有意な改善を認めた。予後は3例が死亡, 5例が生存退院した。PSF注入に関連する副作用は認めなかった。PSF注入による呼吸不全の改善は顕著ではなかったが, 満足すべき治療法の確立していない現況では, 救命率向上に寄与する可能性について, 今後の症例の蓄積が望まれる。